11.5 言葉の使用

火の恩恵にはあっていたが、約15万年前の人類は、依然として取るに足らない
生き物であった。
約7万年前には、東アフリカのホモ・サピエンスは、 アラビア半島から
ユーラシア大陸全土に拡がっていた。
すでに大半の所には、他の人類が定住していたが 他の人類種との集団と交雑し、
現代の人々の祖先となっていった。
ネアンデルタール人は、約3万年ぐらい前に、ジャワ原人は1万3000年ぐらい
前に 他の種族も約5万年ぐらい前に、途絶えた。
しかし、ホモ・サピエンスだけが生き残った。
これは、ホモ・サピエンスは言語を持っていたお陰であった。
この原因は、遺伝子の突然変異によって脳内の配線が変わってしまい、
それまでにない形で考え、まったく新しい種類の言語を使って、 意思疎通を
することが可能になった。

それは、この世で初の言語ではなかった。
どんな動物でも 何かしらの言語は持っている。
動物は、鳴き声で色々な表現をし、伝えることはしている。
オウムは色々な音も真似できる。

しかし、ホモ・サピエンスの言語は、驚くほど柔軟で限られた数の音声や
記号を繋げて、それぞれ異なる意味を持った文を生み出した。
それで、周りの環境などを膨大な情報として収集し
保存し伝えることができるようになった。 
見たことも、触れたことも、匂いを嗅いだこともない、ありとあらゆる
種類の存在・現象について話し伝えることができるようになった。

それによって、小さな集団から大きな集団へと拡張していった。
アリやミツバチ、オオカミやチンパンジーとはるかに違う所はそこにある。
そうして、狩猟採集民は約1万年前頃まで生きていた。