8.3 梅雨
梅雨は、春と夏の間の6月~7月ごろに訪れます。
これは、一般的には梅雨前線が発生して起こる気象と、天気予報ニュース等で
言われます。
しかし、なぜ 梅雨前線が発生するかについては、気象庁の方は、 温帯前線と
寒冷前線がぶつかり合うので、それが 連続して前線がつながるからとか、
大陸の高気圧と太平洋の高気圧がぶつかり合っている為などと言われます。
確かに、それも四季を通じて影響しあっています。
しかし、この梅雨の現象は、中国大陸 華南から華中、日本列島 沖縄地方から
本州までで発生し、北海道では梅雨はありません。
津軽海峡があるからなのか?
いや、違います。
川の流れで説明いたします。
①普通の何もない川の流れ
この場合は、普通に下流に流れていく状態です。
②川の途中に石がある場合の川の流れ
この場合は、石の下流に渦が色々できます。
又、その渦も色々変化します。
つまり、日本列島に梅雨が発生する大きな要因は、日本列島の西にあるアジア大陸、
その中央部のインド・中国国境、および その北部にある 標高7000~8000m級の
ヒマヤラ山脈・カラコルム山脈・天山山脈 さらに 標高5000~7000m級の
パミール高原があるからです。
(梅雨入り前)
ヒマラヤ山脈から天山山脈は、インドと中国の約北緯27度から42度にかけてに
あります。
一般的には約1500mの所の空気の流れで、天候が左右されます。
しかし、ヒマラヤ山脈から天山山脈が アジア大陸にある為、その東に位置する
中国の華南、華中、 そして 日本列島 沖縄地方から本州まで影響が出るのです。
これは、西からの偏西風が、この山脈にあたって、偏西風が乱れるからです。
又、この乱れもその時の偏西風のうねり具合によっても複雑に変わります。
それが、東部にあたる地域に、気流の乱れを起こします。
梅雨入り時期、 川の中央に大きな石があると、その石の上流からの流れは、
下流では、いくつかの渦ができるのとまったく同じ現象です。
この偏西風は、春頃は、まだヒマラヤ山脈の南を流れている為、乱れていません。
ただ、段々 北上し、ヒマラヤ山脈などにあたるようになります。
これが、梅雨の始まりです。
(梅雨明け時期)
偏西風がさらに北上すると、天山山脈の北側になり、空気の乱れもなくなり これが、
梅雨明けになります。
北海道辺りは、その空気の乱れの影響が出ない為、北海道には梅雨がないのです。
秋雨前線も、この反対の状況になり、現れます。
ようは、偏西風がこれらの山脈にどのようにあたっているかによります。
例えば、英国で考えてみましょう。
英国は、島国ではありますが、西側には 大西洋があるだけで、
偏西風に影響及ぼすような山脈などはありません。
又、少し南のポルトガル・スペインでは、ヨーロッパ大陸の一番西に位置しています。
西には、大西洋があるだけです。
やはり 英国同様、この西には、陸地、高い山脈は全くない為、
偏西風が乱れることはありません。
よって、梅雨のような現象は起きません。
又、南米のアルゼンチンのパタゴニア地方は、西にアンデス山脈が南北にある為、
常に偏西風がアンデス山脈当たって超えてくる。
乾いた空気しか流れてこない為 砂漠化しています。
よって、気流の乱れは発生しない為、梅雨のような現象は起こりません。