5:ポチとの出会い(後半)

夕暮れが近づいてきました。
みんな、家に帰るしたくをし始めました。
母ちゃんは、夕飯の用意の為、先に家に戻っていきました。
そして、僕は最後にみんなの後について、帰るつもりで、
ゆっくり歩き始めました。
子犬は、最初は何かモジモジしているようでしたが、
直ぐに、僕の後ろを尻尾を振りながら、ついてきました。
そして、時には、僕の前を歩いたり、又 後になったりして、
ついてきました。
そして、とうとう 我が家の庭先についてしまいました。

僕は、先に家の中に入っていきました。
すると、庭先で、その子犬は
「クオーン、クオーン」
と鳴き始めました。
僕には、あの子犬が母犬を呼んでいるようにも聞こえた。
又、この子犬は、やはり帰る所がないから僕を呼んでいるようにも聞こえた。
それで、僕は、その子犬を玉葱小屋の方に手招きをして誘ってみた。
すると、子犬は又、尻尾を振って、嬉しそうに玉葱小屋に入ってきました。
暫くして、お母さんが、ごはん(雑炊)をオワンに入れ、玉葱小屋の
所まで持ってきてくれました。
母ちゃんは、
「友仁、このご飯をやってみて!
この子犬はお腹すいているとおもうけど、
食べてくれるかな?」
と、言った。
僕は、母ちゃんからオワンを受け取り、
恐る恐る、子犬の前に置いてみた。
すると、子犬は、少しご飯のにおいをかいで、
少し舐め、少しづつ、食べ始めました。
そうするうちに、どんどん食べだし、ご飯全部を
みるみるうちに食べてしまいました。
それを見ていて、僕は、この子犬、子犬のわりに、
よく食べるな!お腹空いていたんだと思った。
そこに、兄ちゃんが帰ってきた。
僕は、兄ちゃんに、それまでのいきさつを話した。
すると、兄ちゃんは、
「友仁、うん、いいんじゃない。飼ってみたら!」
と、言ってくれた。
続けて、兄ちゃんは、
「じゃー、名前は何にする?」
と、聞いてきたので、僕は
「うーん、」と、言いながら少し考え、
「ポチってどうかな?」
と、言いました。
兄ちゃんも少し考えてから、
「うーん、ポチか。いいんじゃない!」
と言ってくれた。
それで、僕は子犬に向かって、
「ポチ、ポチ」
と、呼びかけた。
子犬は、少し傾げたようなポーズをして、
何を、僕が言っているのか分からない感じでした。
それから、父ちゃんが適当な長さの縄ひもを探してくれた。
父ちゃんは、
「とりあえず、今日の所は、これで、繋いでおこう。
明日、犬の首輪とくさりを買ってきてやるから。」
と、言ってくれた。
父ちゃんは、その縄で、ポチの首を絞め付けないように
上手にポチを縛ってくれた。
ポチは、最初 少し嫌がって外そうとしたが、なかなか外れない為
最後には諦めたのか、寝込んでしまいました。
それを見て、ポチも、今日はだいぶん疲れたのであろうと僕は思った。
僕も、母屋に戻って、又、長い一日が過ぎたのでした。