7:白蛇との出来事(前半)
7月~8月、一の近くの農家では、タマネギの選別を行い、
不良品や腐った物は、たんぼに埋めたり、川に捨てたりします。
その為、一の東の川や西の川には、タマネギがいっぱい流れてきます。
特に西の川は、夏休みは、水浴び場になる為、堰き止めるので
そこにごみと一緒にたくさんのタマネギもたまってしまう事が
ありました。
それでも、一も含め、子供たちは喜んで、水浴びをしていました。
なぜかというと、そのような時は、本当に色々な魚に
会えるからです。
又、水を堰き止めた下流からは、いっぱい色々な魚が
上ってきます。
一はそれを捕まえて、上流側に逃がしてやるのでした。
水浴びが終わって堰き止めていた板を取り除いても
そこには流れてきたタマネギが全部流れていく
事はなく、かなり残ります。
そして、やがてそれが順次たまっていき、
大きな川ではないが、川一面がタマネギで埋め尽くされます。
水の少ない状態で、溜まっているタマネギをひとつづつ
取り除いていくと、そこに小さな魚が挟まれた状態で
いるのです。
何で、こんな所にいるのか不思議なのですが、
おそらく、タマネギで閉じ込められて、
身動きが取れなくなったのでしょう。
一は、その閉じ込められた魚を捕まえて、
上流の方に逃がしてやるのです。
そういう時、蛇もよくいて、一もびっくりしますが、
蛇もびっくりして、急いで逃げていくのでした。