7:先生の所見
2年生になると、ウサギ当番というのがありました。
グループは4~5人で、毎日ではないが、4週間で
1回ぐらいで回ってきて、3~4日の間、毎日時間を決めて、
ウサギの世話をします。
ウサギ当番にあたると、グループで家から葉っぱのような
野菜や果物を持ってきたりして、それを食べさせたり、
ウサギ小屋の掃除をグループみんなでします。
僕は、自分の当番の時、かあちゃんやねえちゃんに聞いて
ウサギにやる餌を持って行きました。
餌をやる時、山田先生が
「あまり、たくさんやってもいけないよ。
少しづつでいいからね!」
といいます。
僕は、殆ど、他の子が餌をやっているのを後ろから
見ているだけで、僕からはやりませんでした。
なぜかというと、最初僕がウサギに餌をやろうとした時、
うさぎが、僕の指をかじったからで、それから
少しウサギが怖かったからです。
山田先生は、僕の様子を見ていて、
「小田君、ウサギかわいいよ。
小田君、少しウサギの頭撫ぜてみる?」
と言って、先生は、ウサギを抱えて、小屋からだして、
僕の前に持ってきました。
他の子もかわいい、かわいいと言って 頭を撫でています。
僕も、ウサギの頭に手を持っていき、そーと
撫でてみました。
すると、ウサギは、頭を撫でられても、おとなしく
落ち着いた様子でした。
僕は、なーんだ、このウサギ、おとなしくて、かわいいなと
思いました。
すると、先生は、
「小田君、ウサギはみんなが餌をくれて、
小屋を掃除してくれる人だと分かっているからだよ。
ウサギはよく見ているんだよ。
このウサギ、私たちが思っている以上に賢いのよ。」
と言います。
僕は、なるほどと思い、次の当番から、
積極的に餌やりや小屋の掃除をやるようになりました。
すると、暫く経って、僕がウサギ小屋に近づくと
ウサギの方から僕の方に寄って来るようになりました。
先生が、またその様子を見ていて、
小田君は、今はあまり勉強はできないけれど、
何かきっかけがあると、出来るようになる子なのかなと
思ったようでした。
そして、秋の運動会がありました。
走り競争は、1番ではなかったけれど、障害物競争は1番でした。
ねえちゃんは、それを見ていて、ケンちゃん大分足速く走れるように
なったなと思ったようでした。
そして、2年生も終わり、先生から通知表をもらいました。
すべての教科が殆んど2~3(*)でした。
*当時の通知表は5段階評価で、
数字が大きいほど良く、5が1番良いという評価でした。
しかし、学習及び行動性格の所見の所に
あまり面白くないと、すぐいたずらします。
しかし、一つの事をやるコツをつかむと、すごくいきいきとして、
やる子なので、3年生になってもがんばってね!と
書いてありました。
僕は、僕の頭の悪さには触れず、生活の様子を
見てくれていたことがうれしかった。
しかし、3年生になるとねえちゃんもいなくなるし、
先生も変わるだろうから、それが心配でした。