2:和尚さんの助言(1/3)
卒業式も終わり、小学校最後の春休みです。
いつもは何かと学校からの宿題があったが、今回は何もない。
しかし、それだから余計に不安なのでした。
洋は、以前姉ちゃんに聞いていたことを思い出していました。
姉ちゃんは、次のような事を言っていました。
1,中学に行くと教科ごとに先生が変わる。
2,怖い先生も、優しい先生もいる。
3,クラブ活動がある。
洋は、その時ねえちゃんに、
「それ、どうゆう事?」
と、聞くと、姉ちゃんは、
「中学になると、勉強が難しくなるから、
教科ごとに、専門の先生が教えるため。」
と言うのでした。
続けて、姉ちゃんは言う。
「特に英語は今までにない新しい教科だよ。
だから、姉ちゃんは、英語だけ1年生から塾に行ったよ。
母ちゃんに話しておくから、洋も行ったらいい。」
姉ちゃんはそう言うけど、僕は、余計に不安になりました。
洋は勉強についていけるか?
そして、ほかの小学校からくる多くの全く知らない子たちと
一緒にやっていけるのか?
また、色々な不安が頭をよぎるのでした。
洋は、知らないうちに、近くのいつもの神社まで歩いてきていて、
入り口にある石に腰かけていました。
すると、神社の隣の寺の和尚さんが、
「いつも隆と一緒に遊んでくれている子だね。
ありがとう。名前は何と言うのだね?」
と言うので、洋は
「洋、坂下洋と言います。」
と、答えると、
「ああ、そうか。坂下さんちの息子さんか。
でも、なんか元気ないね。どうした?
何か、心配事でもあるのか?」
と、聞いてきました。
洋は、この和尚さん何で分かるのと思いながら、
「実は・・・」
と素直に今の自分の悩みと不安な事を和尚さんに話しました。
すると、和尚さんは、
「それは、誰でもそうなんだよ。
みんな不安なんだよ。
洋君だったね。
洋君、これからは色々な人との出会いが
どんどん増えてくる。
それは、洋君が成長していくためには
必要なことなんだよ。
洋君が求める求めないに関わらず
どんどんやってくる。
自分から求めて会う人もいるだろう。
しかし、逆に離れていく人もあるだろう。
でも、その時は無理に追うな。
縁があれば、また会える。
縁は自分ではどうすることもできない。
あー、ちょっと難しくなっちゃったかな。
また、心配事あったら、又来なさい。」
と言ってくれた。
洋は難しいことはわからないが、なんとなく心がほっとしていた。
そして、また何か不安になったら、和尚さんの所に来ていいんだと思った。
それから、隆ちゃんに会いに行って、
中学校に行ったら、前みたいに遊べないことを伝えた。
隆ちゃんは、さみしそうに
「うん、わかった。
でも、遊べるときは来て。」
と言った。
洋は、
「うん」
と言って、隆ちゃんと別れ、家に帰った。
真新しい自転車も届き、いよいよ中学校入学式が近づいてきた。
入学日の数日前、「坂下洋」宛の郵便が届いていた。
内容は、入学式当日案内と、1年2組とクラスが決まったので、
そのつもりで登校してくださいという内容でした。
その中には、自転車置き場と1年2組の教室の地図も入っていた。
そこには、1組から4組までの教室がわかるように書いてあった。
それを見て、洋は、1年生は4組あるのだと確認できた。
と同時に、同級生がそんなにも増えるのだと驚いた。
姉ちゃんが言っていたことを思い出していた。
でも、どんな子たちと一緒にやっていくのか?
また、同じ小学校の誰と一緒なのか?わからなかった。
父ちゃんや母ちゃん、姉ちゃんにもそれを見せた。
母ちゃんは
「そうか、洋もやっと中学生か。」
と嬉しそうに言った。
姉ちゃんは、案内地図を見ながら
「あー、ここの辺りか。
姉ちゃんも1年生の時この辺りだったよ。」
洋は、みんなの会話を聞いて、
嬉しい反面、やはり 不安もあった。
姉ちゃんは、それを察してか、
「洋、みんな一緒だから大丈夫。
いつもの洋みたいにやっていけばいい。
でも、中学校は、小学校と違って、勉強が
少し難しくなる。
そこの所は、しっかりね。
でも、わからない所あったら、姉ちゃん教えてあげるから。」
と言ってくれた。
洋は、それを聞いて、少し気が楽になった。
そして、母ちゃんが
「洋、姉ちゃんから聞いたけど。
英語と言う新しい教科が増えるだろ。
姉ちゃんも1年生から英語塾行ってたから、
洋も行きなさい。」
と言ってくれた。
それを聞いて、洋は
「うん、わかった。」
と答えるしかできなかった。
でも、洋は、姉ちゃんが母ちゃんに事前にちゃんと
話してくれていたことが嬉しかった。
そして、中学校入学式を迎えた。

