2:和尚さんの助言(3/3)

最初の週の日曜日に、洋は姉ちゃんが行ってた英語塾に母ちゃんと一緒に行った。
塾の先生は、矢野先生という先生でした。
その時は、最初だったので、洋は母ちゃんと、矢野先生の説明を受けた。
矢野先生は、
「ここでは、今使っている教科書を基本使います。
それで、その教科書とノートを持ってきてください。
また、それ以外の教科もやりたい場合は言ってください。
その分、費用は増えますが、教えます。」
と、言われた。
洋は、少し安心しました。
母ちゃんも、(うん、うん)と聞いていた。
しかし、隣町の為、塾に来ている子は、知らない子ばかりでした。
おそらく、同じ中学校の子もいるかもしれないが
それさえも分からない状況でした。
矢野先生は、優しそうだったので、
洋は、(まあーこれならやっていけるかな!)と思っていた。
洋は、母ちゃんと話しながら帰ってきた。
洋は、
「母ちゃん、本当に僕の知らない人がいっぱいいるね!」
というと、母ちゃんは、
「そうだよ。
洋は、今まで同じ小学校でほとんど同じ子たちと、
過ごしていたから、しかたがない。
でもね、『井の中の蛙、大海を知らず』という諺があるよね。
洋は、まさにこれから大海に飛び出していく蛙さ。
それは、みんな一緒。
だから、洋はその流れにまかせてやりなさい。」
と言われ、洋は、
「なるほど、母ちゃんうまい事言うね。」
と、返すと、
「まあね!」
と、母ちゃんは、にこっと笑って言った。

次の週に入ると、竹中先生が先週話していた小学校6年までの範囲で、
4教科(国語・算数・理科・社会)の学習テストを今週行うと言われた。
先週、その話は竹中先生から聞いていたので、一応復習はしていた。
実際、そのテストを受けてみると、洋には意外と簡単なテストに感じた。
そして、次の週の初めにテスト結果を知らされました。
すると、グループ6人がクラスの5~20番までに入っていました。
洋は、18番で、グループ内では5番目でした。
なにはともあれ、洋はそんなに頭悪くないなと思うと同時に、
このグループ、みんな頭いい子ばかりだと思った。
そして、グループの3人の女の子たちは、洋より上位でした。
洋は、(よーっし、女の子には負けるもんか)と、新たな闘志が出てきました。
洋は、小学校の時は、6年間ずーっと同じ子たちと過ごしていたので、
男の子、女の子、誰がどれくらいできるかは分かってはいましたが、
やはり、中学校のこの時期すべてが新しい事ばかりで、
この男の子、この女の子などと言っている暇がありませんでした。
しかし、学習テストがあり、クラス内の子やグループの子と話すことが
あったりして、だんだん中学校生活に慣れてきていった。

そして、約1ケ月経った頃、家に帰る途中、神社前に差し掛かった時、
偶然にもお寺の和尚さんとばったり会いました。
すると、和尚さんは、
「おー、洋君、元気そうだね!
中学校はどうだい?」
と、聞いてきました。
洋は、
「あ、和尚さん、こんにちは。
うん、毎日とっても大変です。
色々な事が新しい事ばかりなので。」
と言うと、和尚さんは、
「そうだろう、そうだろう。
いろんな人がいるし、色々な新しい事があるからな。」
と言う。
洋は、それに対して、
「そうなんです。
和尚さんが前言っていたように、
中学に入ると同時に、最初の1週間ぐらいは、
くる日もくる日も、色々な人と会って、
なかなか、人の名前覚えれませんでした。
でも、最近はやっと少し落ち着いてきました。」
と、答えると、和尚さんは、
「そうかー、でもこの前会った時と
洋君、顔色がちがうなー。
生き生きしている。
洋君、これからだぞ。」
と、言ってくれた。
洋は、
「あー、そうですか。そうかな?」
と、はにかみながら答えた。
すると、和尚さんは何かを思い出したようで、
「洋君、ちょっと用事思い出した。
また、聞かせて!」
と言って、足早に僕の前を過ぎ去っていった。
洋も、
「はい、じゃーまた。」
と言って、和尚さんと別れて、家に帰った。
洋は、何かわからないが、心が少し軽くなったような気がしていた。