4:神社探検(2/3)

その後、何度か、由紀ちゃんと神社探検遊びをしました。
神社をぐるっと一周すると、
そこの神社には、色々な大きな木や岩があり
そこには色々な草も生えていました。
又、ある所には、こんもりした小さな山があり、
その横に大きな洞穴があることも分かりました。
洞穴の中には、小さなお地蔵さんがあり
お地蔵さんに誰かがお供えをした跡がありました。
そこには、誰かがおいたどんぐりもいっぱいありました。
神社の北側に行くと道があり、
さらに、そこから上に登って行ける道もありました。
その坂道は、かなり長い道に見えたので、
一が
「今度、この上の方に行ってみようか?」
と言うと、由紀ちゃんは
「うん、いいよ。」
と、にこにこしながら言いました。
「じゃあー、今度来た時ね。
 この上の方に行って遊ぼうね!」
そう言って、その日は由紀ちゃんと別れましたが、
その時の由紀ちゃんの笑顔が
一には、とても不思議に感じながら、帰ってきました。

数日後、一は約束した通り
神社の北側の登り道を由紀ちゃんと登っていきました。
入り口には立派な鳥居があり、
左側は坂道と続いた丘ですが、右側は谷のように
なっていて、下には川が流れていました。
しかし、両方とも、雑草が生い茂っていました。
その長い長い坂道は、緩やかではあるが
両側に生い茂る雑草のせいで、その坂道にも、
やはり雑草が生えていて、ところどころにあるデコボコが、
見づらくなっていました。
一にとっては、その坂道を登るのはわけないことでも
小さな由紀ちゃんは大丈夫かと心配でしたが、
由紀ちゃんは、元気にスイスイ登っていました。
坂道を上に登ると、数段の石段があり、
そこを登りきると、大きな杉の木と
小さな社(やしろ)がありました。
一は、由紀ちゃんとその辺りで
暫く、かくれんぼしたりして遊んでいました。
一が、そこの石段の上から下の方を眺めると、
いつも遊んでた神社が見えました。
その先には、竹藪が見え、更にその向こうには
一の家辺りも見えました。
すると、下から涼しい風が吹いてきました。
一は、なんと気持ちいい場所だなと思うと同時に
こんな眺めのいい場所を発見したという大きな喜びも
湧いてきました。