5:練習方法(後半)
そして、待ちに待った日曜日の朝、約束どおりじいちゃんの家に行きました。
すると、じいちゃんは、
「おー、よう来た、よう来た。
では、行こう。」
と言って、家の庭先へ歩いて出ていきます。
僕は、どこへ行くのかなと思いながら
じいちゃんの後をついて行きました。
家から少し歩いた所のじいちゃんのたんぼの所まで行きました。
そこは、ばあちゃんとも来たことのあるたんぼでした。
そこには、水路があり、左右にじいちゃんのたんぼがある所でした。
その水路は、南に向かって流れているのですが、
左右のたんぼの畦道が、水路になっていて、
南のたんぼに水を入れる為の水路で、南に行くにしたがって、
その水路の幅が少しづつラッパのように広がっていました。
そして、じいちゃんは、2枚の板を左右のたんぼ内側から畦道にかけました。
じいちゃんは、
「ケン坊、この板を使って
水路を飛び越える練習をしな。
一日、5回づつだぞ。
それ以上はやってはいかん。
又、毎日もやってはいかん。
そして、飛べるようになったら、
少しづつ先の方に板をずらせ。
わかったか?」
と言いました。
僕は、なるほどと思い、
「うん、わかった。」
と答えました。
僕は、最初 一番手前の両側に板を置きました。
そして、少し走って板を渡り飛び越えました。
なんとか、飛び越えれましたが、
反対側の板に足が着いた瞬間、勢いあまって転んでしまいました。
じいちゃんは、それを見ていて、
「ケン坊、飛ぶ前に少し準備運動して、
体をほぐしてからやらないとケガするぞ。
そして、反対側に飛べても転ぶようではいけない。
しっかり、足元がぐらつかないようにしろ。
そうしないとねえちゃんたちが飛んでる水路はとべないぞ。
まあー頑張れ。」
そういって、笑っていました。
僕が、じいちゃんに
「ここ、使っていいの?」
と聞くと、じいちゃんは、
「ここは、うちのたんぼじゃ。
でも、たんぼで米を作っている時は、
使えないかもしれないが、
それ以外は、いいぞ。」
と、言ってくれました。
僕は、
「うん、わかった。」
と、答えた。
その後、もう一度少し走って飛んでみました。
やはり、反対側の板に着地するとき、
足元がぐらつきました。
僕は、今日はこれくらいにして、又、来ようと思いました。
じいちゃんのたんぼは僕の家からそんなには
遠くなく、じいちゃんの家の中間ぐらいでした。
僕は、家に帰って、かあちゃんに、このことを話しました。
すると、かあちゃんは、
「ケンちゃん、良かったね。
じいちゃんの言う事聞いて、頑張ってね。
でも、焦らずに、ゆっくりやってね。」
と言いました。
僕は、又、
「うん、分かった。」
と、答えるだけでした。
それから、そこへは週、1~2回行くようになりました。
そして、間もなく2年生になりました。