11.4 火の使用 

人類が この頂点へ昇りつめた大きな要因は、火を使うようになった
からである。
約30万年前には、ジャワ原人や、ネアンデルタール人、
ホモ・サピエンスの祖先が 日常的に火を使っていた。
人類は明るい光と、暖かさの源泉を手に入れたのである。
一部の人類は、不毛の藪を焼いて、その焼け跡を歩き回ってうまい具合に
焼きあがった 動物や木の実、イモ類を収穫した。
火の最大の恩恵は、調理が可能になったこと。
調理することによって、食物についていた病原菌や寄生虫を殺すことができ、
又 噛むことも、消化することもグーンと楽になり、食事に今まで5~6時間
かかっていたのが、1時間もあれば充分となった。
又、調理をするようになって前よりも多くの種類の食物が食べられるように
なった。
火の起こし方は、人体の形状、構造、強さによって左右されるものでなく
たった一人の女性でも、火打石か火起こし棒があれば、容易に可能となった。